調布市武者小路実篤記念館

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収蔵品 詳細情報

資料番号:036855   分類:図書   種別:---   配架: 他ヒ   原物・複製:原物  

タイトル:

【資料名】 広津和郎全集 第八巻

タイトル(ヨミ):

ヒロツ カズオ ゼンシュウ ダイ 8 カン

著作者:

【著・作者】 広津和郎

著作者(ヨミ):

ヒロツ カズオ

内容:

【備考】 装幀/帯・カバー付き
【備考】 定価3200円
【収録】 P29/「武者小路実篤氏の「ある相談」」と題して、台湾で起きた事件を元に書かれた、実篤の対話文「ある相談」に対する著者の批評あり。
【収録】 P34−P36/「武者小路実篤氏の「小さき運命」(太陽)」と題して、実篤の三幕物の脚本についての批評記述あり。
【収録】 P85−P86/実篤の「運命に就ての雑感」(『太陽』)「或る青年の夢」(脚本ー『白樺』)の作品を読んでの批評記述あり。
【収録】 P92−P95/「武者小路氏の「燃えざる火」」の項目あり。実篤の「運命に就ての雑感」が面白く、実篤の他者への評価が鋭く聡明と評価した著者が、実篤の自己批評、運命感を思わせる「燃えざる火」を読んで失望したと批評している。
【収録】 P102/実篤の「或る青年の夢」第4幕(白樺)に対する批評。「武者小路氏の芸術はずっと我々の胸に沁み込んで来る」として大変佳い作として評価している。「(前略)氏が氏の信仰の上に立って、そしてそこから自分を取りかこむ世界の批評をしている時には、氏からかなりの鋭さと強さを発見する」とする一方で、実篤の自己批評が見える作品に対しては鋭さ強さを待ち望むとある。
【収録】 P110−P115/「生田、武者小路両氏に」と題して、生田長江氏が『新小説』『文芸雑誌』において、実篤を攻撃するために著者の批評を引き合いに出したことに対する記述。著者自身による実篤作品に対する批評は宣戦ではなく、誤解もあるとして、生田氏の武者小路氏に対する「宣戦」の加勢になる事は断るとし、生田氏実篤両氏に向けたメッセージを書いている。
【収録】 P131−P133/「新進作家中いろ/\な意味で今最も文壇の注目を惹いている人に武者小路実篤氏がある。」と始まり、「氏の芸術は今までの日本にその例のなかった程「人道的・正義的」な色彩を多分に帯びている」とある。また「作の長所を知ろうと思う者は、何よりも「或る青年の夢」を読むがいゝ。」として、作品についての記述あり。
【収録】 P242−P244/「武者小路氏の「処女性」」と題して、「野島先生の夢」(中央公論)「ある父の手紙」(新潮社)に対する評論。
【収録】 P256−P258/「武郎氏の手紙と実篤氏」と題して、『白樺』の六号雑感にて実篤が有島武郎の手紙に答えている内容に対しての評論。これは『中央公論』に掲載された武郎氏から実篤宛の手紙に対するものと著者は見ている。有島武郎の手紙は、実篤の新しき村の事業に対して言及し、その手紙への実篤の態度を著者は評価し、心から実篤の新しき村事業の成功を祈っていると結んでいる。
【収録】 P342−P343/「A夫婦」を読んだ著者が、作品に心を打たれ、「新しき村」の事業を開始して以来の実篤の成長を評価している。「氏に対して幾度も疑いを持ったのが、恥じられて来る。我らと同時代に、ほんとうに心から尊敬すべき人を持てたと云う(以下略)」「武者小路氏はもう単に文壇の人ではない。日本のあらゆる社会を通じて氏は尊敬されなければならない人となった。(中略)日本がもう少し世界的になってきたら、氏の名は国境を超越しそうにさえ思われる。」
【収録】 P363−P365/「二、三の作家について」の中で、「最近に僕に最も興味のある人は武者小路実篤氏だ。」とある。「新しき村」の事業を始める頃からの実篤の成長に感嘆しており、「土地」「Cの話」への評価の記述あり。
【収録】 P479−P481/「「愛慾」と「人を殺したが・・・・・・」」の中で、実篤の「愛慾」を読んだ感想あり。「自分の持って生まれたものを総て生かしたい」という実篤の口癖に対して、著者は「そのひた向きの疲れることを知らない生活力の動きは、我々に反省と羨望を覚えさせる。」と記している。
【付属物】 広津和郎全集 月報8 普及版第8巻 1989年 1月
【付属物】 広津和郎全集 普及版 全13巻・略目録

日付:

【初版年月日】 1974年2月10日
【発行年月日】 1989年1月20日

西暦:

1989年 1月 20日
※西暦は収蔵品の大よその時期を示すための目安です。正確な年月日を表していない場合があります。

発行者:

【発行・制作所】 中央公論社
【発行・制作所住所】 東京都中央区京橋2-8-7
【発行・制作者】 嶋中鵬二